個人の債務整理

公開日:2026/8/27|執筆:弁護士 末安陸斗

知らない番号からの着信が怖い。ポストを開けるのが怖い。職場に電話が来たらどうしようと、仕事中も気が休まらない――借金の悩みで一番つらいのは、金額そのものより、この督促に追われる毎日です。

この状態は、弁護士に依頼した日から止められます。弁護士が各社に「受任通知」という書面を送ると、貸金業者はあなたに直接連絡することを法律で禁止されるからです。この記事では、その仕組みと、止まるまでの日数、止まらない場合、止まった後にやることを順に説明します。

受任通知が届くと、業者はあなたに連絡できなくなる

受任通知とは、「この方の債務整理を弁護士が受任しました。今後の連絡はすべて弁護士宛てにしてください」という通知です。ご依頼を受けたら、弁護士がすべての借入先に発送します。

これを受け取った貸金業者や債権回収会社が、正当な理由なくあなた本人に電話や訪問で取り立てをすることは、法律(貸金業法)で禁止されています。違反した業者には業務停止などの行政処分や刑事罰があるため、消費者金融・クレジットカード会社はこの通知を確実に守ります。

つまり、督促を止めるのに業者と交渉する必要はありません。通知が届いた時点で、止まります。

いつ止まるか:通知が届いた時点から

受任通知は、ご依頼いただいたその日から順次発送します。郵送のほか、急ぐ場合は FAX を併用するため、早ければ当日から、通常は数日以内に督促は止まります。

行き違いで通知の直後に電話が来ることはありますが、「弁護士に依頼しました」と伝えれば、それ以降は弁護士宛てに切り替わります。職場への連絡も同様に止まります。

返済もいったん止まる。ここが生活再建の起点になる

受任通知には、もう一つ大きな効果があります。各社への返済が、方針が決まるまでいったん止まることです。

毎月の返済に充てていたお金が、手元に残ります。この間に生活を立て直し、弁護士費用の分割払いに充て、落ち着いて手続(任意整理・自己破産・個人再生のどれにするか)を決める。督促と返済が止まっている期間は、追われる期間ではなく、態勢を立て直すための期間です。

なお、受任通知を送ると信用情報機関に登録され、新たな借入やクレジットカードの利用はできなくなります。ただ、債務整理を考える段階では、これは「借金を増やせなくなる」という再建への第一歩でもあります。

止まらないケースが3つある

受任通知は万能ではありません。次の3つは別の対応が必要です。

すでに裁判や差押えが始まっている場合。 裁判所からの訴状や支払督促、給料の差押えは、受任通知では止まりません。裁判手続への対応(答弁書の提出や、破産・個人再生の申立て)が必要です。裁判所から書類が届いている方は、放置せず、その書類を持って急いでご相談ください。対応の選択肢は日ごとに減っていきます。

友人・知人・親族などの個人からの借金。 貸金業法は業者を縛る法律なので、個人の貸主には取り立て禁止の強制力が及びません。ただし、弁護士が窓口になったことを通知すれば、本人への直接の請求は事実上収まることがほとんどです。

ヤミ金からの借金。 登録のない違法業者は、そもそも法律を守りません。受任通知で止まらない場合は、警察との連携を含む別の対応をとります。ヤミ金からの借入がある方は、必ず最初に申告してください。対応の組み立てが変わります。

督促が止まっている間に、何をするのか

督促が止まったら、弁護士は各社から取引履歴を取り寄せ、借金の正確な総額を確定します。利率の引き直し計算で過払金が見つかることもあります。

そのうえで、収入と生活の状況に合わせて手続を選びます。収入があって元本を返せるなら任意整理、返済の見込みが立たないなら自己破産、自宅を残したいなら個人再生。5つの手続の違いは個人の方の債務整理のページにまとめています。

「依頼した日」がいちばん早い解決日です

督促を止める方法を検索している時点で、状況は自力で返せる段階を過ぎていることが多いです。そして、督促に追われながら考えた判断は、たいてい良い結果になりません。特定の1社にだけ無理して返す、新しい借入で古い借入を返す、どちらも状況を悪化させます。

初回相談は30分無料です。借入先と残高が分かるもの(督促状・アプリの画面・カードでも結構です)をお持ちいただければ、その場で方針の見当をつけ、ご依頼いただければ受任通知を発送します。LINE またはフォームからご連絡ください。

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