過払金を自力で回収できるか

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取引履歴の開示と引き直し計算

貸金業者は取引履歴を保管し、借主から請求があれば、開示しなければならないので、取引履歴を取り寄せるのは容易です。

開示までの期間は、業者によりますが、早ければ1週間、遅くても1か月程度で開示されることが多いです。

取引履歴を取り寄せたら、専用の引き直し計算ソフトに入力すれば、過払金が計算できます。

引き直し計算ソフトは、インターネットで検索すれば、比較的容易に入手方法にたどり着くことができます。

借入れと返済を全部入力する作業は大変ですが、数字を入力するだけなので素人でも可能です。

時効管理

取引履歴を取り寄せた結果、最終取引日(借入れ又は返済)から10年が間近に迫っている場合、時効管理が必要になります。

内容証明郵便で催告をすれば、催告の時から6か月は時効の完成を遅らせることができますが、6か月以内に交渉がまとまらなければ、訴訟を提起する必要があります。

交渉

では、弁護士に依頼せずに、過払金の返還交渉はできるでしょうか?

結論から言えば、過払金の一部であれば、弁護士に依頼しなくても、取り戻すことは可能です。貸金業者側は、弁護士に依頼されると支払額が増えるので、その前に低額でまとめようとするからです。

しかし、満額を回収するためには弁護士に依頼することが必須と言えます。貸金業者は、過払金充当合意の消滅など、およそ裁判所が認めないような主張をして金額を下げようとする場合があります。素人では、その主張が法的に正しいかどうか、的確に判断することはできません。

また、過払金には年率5パーセントの利息が発生するのですが、利息の回収は弁護士が交渉しても難しい場合があり、訴訟の提起が必要になることがあります。

訴訟

過払金を回収するには訴訟が必要になることがあります。

訴状の書き方は、インターネットで調べれば、素人でもたどり着くことができますが、問題は、訴訟を起こした後です。

実は、過払金返還請求訴訟は、訴訟を起こした後も交渉が継続することが珍しくありません。貸金業者側は、できるだけ低い金額で和解できるよう、裁判の間も、和解を提案してきますので、その都度、和解すべきか否かを的確に判断することが必要になります。

また、貸金業者は、過去の膨大な裁判例から認められないことが確定していると知りながら様々な反論をしてくるのです。その反論が認められる可能性がないことを裁判官は教えてくれませんので、自分で判断しなければなりません。相手の反論に理由があるかどうかを的確に判断するのは、弁護士でなければ難しいと言えるでしょう。

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